トルシア形高力ボルト(S10T)の締め付けおよび検査概要

1.ボルト搬入
(1)未開封のまま現場へ搬入する 
(2)メーカーの規格品証明書を確認する 
(3)雨水・塵埃などが付着せず、温度変化の少ない場所に保管する 
(4)丁寧に扱い、ねじ山・ピンテール部などを損傷しないようにする 
(5)品質確認は、次の通り状況に応じた適否確認ができる(省略しても良い) 
   機械的性質試験・導入張力確認試験・トルク係数値確認試験など

2.確認
(1)締め付け機を選定し、適切な調節がされていることを確認する 
(2)ボルトに異常がないことを確認する 
(3)座金は内側面取りがある側が表とし、ナット下に1個敷く 
(4)始業点検として、締め付け状況を確認する 
(5)ボルト挿入から、本締めまでの作業は同日中に完了する

3.一時締め
 一次締めは、ボルト群ごとに中央部から端部に向かって挿入後、直ちに締め付ける 
締め付けは、プレセット型トルクレンチ・一次締め専用レンチなどを用いて、ナットを回転させて行う

4.マーキング
一次締め後、全てのボルトについて「ボルト・ナット・座金・部材」にわたるマークを施す

5.本締め
本締めは、トルシア形高力ボルト専用の締め付け機を用いて行う 
ピンテールが破断するまで、ナットを締め付ける

6.検査
(1)全てのボルトでピンテールの破断を確認する 
(2)共回りによるナットの回転量のばらつきを確認する 
(3)ばらつきが、群の全ナットの平均回転角度から±30°を超える場合は新しいものと取り替える 
(4)締め忘れについては、異常がないことを確認し、締め付ける 
(5)ボルトの余長は、ナット面からねじ1山~6山の範囲にあることとする 
(6)一度使用したボルトは再使用してはならない