賃貸約款

第1条(総則) 
賃貸約款(以下「本約款」という)は、賃借人を甲、賃貸人を乙として、甲乙間における電動工具等のレンタル取引物件(以下「レンタル物件」という)について、その基本的事項を定める。 

第2条(本約款の個別契約への適用) 
本約款は、別途当事者間に特約のない限り、本約款期間中、本約款に基づき甲乙間に締結される一切の個別契約に適用される。 

第3条(個別レンタルの申込み) 
本約款に基づき、甲は、乙とレンタル物件の種類・規格・数量・使用場所・引渡し予定日・引渡し返還場所・レンタル期間・レンタル料金・支払条件・引渡し方法・修繕費・その他の条件について取り決めのうえ、乙に対し個別レンタル契約を申し込む。 

第4条(個別契約の成立) 
個々のレンタル契約は、甲が前3条に従って申込み(口頭による場合を含む)、乙の責任者またはその代理人がそれを承諾することによって成立する(以下「個別契約」という)。 
なお、個別契約は、甲の責任者又はその代理人による申込みによっても成立する。 

第5条(レンタル料) 
レンタル料とは、基本的にレンタル物件の「賃貸借料」をいう。 
2.レンタル期間中において、物件を使用しない期間又は使用できない期間があったとしても、事由の如何を問わず、甲は乙に対し、当該期間のレンタル料を支払わなければならない。 
3.レンタル料は、物件の1日8時間以内の稼働を原則とする。この時間を超えて使用される場合は別途レンタル料が生じる。 

第6条(レンタル期間) 
レンタル期間は、原則としてレンタル物件の搬入日から搬出日までとする。但し、レンタル物件によっては最低保証日数の決まったものがある。 
2.個別契約に定めるレンタル期間の短縮、又は延長については、乙の承認を求めるものとする。 

第7条(保守料) 
レンタル期間中にレンタル物件が破損、盗難等の偶然の事故に遭遇した場合に備え、甲が本来負担すべき損害賠償責任を軽減するため、甲は乙の定める保守料を負担することによって、乙の補償制度が適用される。これにより、乙の請求権はその補償制度に定める額が限度となる。 
2.前項の場合において、天災地変及び甲の故意または重大な過失、その他補償制度の対象外となる損害の場合は、この補償制度が適用されない。 

第8条(物件の引渡し) 
乙のレンタル物件引渡しは、原則として乙の指定場所で、甲の指定する者に対して行う。 
2.甲が乙からレンタル物件の引渡しを受けたときは、乙は甲に対して出庫伝票を交付する。 
3.レンタル物件の搬出入・運送・積み下ろし等に伴う事故は、甲又は甲の手配による場合は甲の責任とし、乙又は乙の手配による場合は乙の責任とする。 
4.乙は、レンタル物件引渡しのため、甲の現場内に立ち入る場合は甲の指示に従う。 

第9条(物件の検収) 
甲は、レンタル物件受領後、直ちに乙の発行する出荷案内状、あるいは出庫伝票並びに法令に定められた諸資料記載の内容に基づき物件の規格・仕様・性能・機能・数量等について検収をし、レンタル物件に瑕疵がないことを確認する。 
もし、レンタル物件の不適合・不完全・不足、その他瑕疵等を発見した場合には、直ちに乙に連絡する。 
乙は、甲の連絡を受けたときは、その責任において速やかにレンタル物件を修理するか、又は代替のレンタル物件を引渡す。 

第10条(レンタル物件の保守管理) 
甲は、レンタル物件について、善良なる管理者として注意義務をもって保管するとともに、関連法令を遵守し、レンタル物件の本来の方法の用法・能力に従って使用し、常時正常の状態に維持管理する。なお、そのための費用は特約のない限り、甲が負担する。 
2.月例自主点検等を必要とするレンタル物件については、別途特約のない限り、甲の責任と負担でこれを行う。乙がこれを行った場合はそれに要した費用を甲は乙に支払う。 
3.乙の責に帰する理由によりレンタル物件の故障・破損等が発生した場合は、乙の責任と負担でこれを修理するか、又は代替のレンタル物件を引渡す。 

第11条(レンタル物件の検査) 
乙は、レンタル物件の使用場所において、その使用方法並びに保管の状況を検査することができる。この場合、甲は、積極的に協力しなければならない。 

第12条(免責事項) 
天災地変、電力制限、輸送機関の事故、交通制限、争議行為、仕入先の債務不履行その他乙の責に帰することのできない事由により、レンタル物件の引渡しが遅れ、または引渡しが不能となった場合、乙はその責任を負わないものとする。 
2.乙は、レンタル物件が甲に対して引渡し時において正常な性能を備えていることのみを担保し、甲の使用目的への適合性については責任を負わない。甲の使用、保管に起因して、甲及び第三者に損害が生じた場合についても、甲の責任において処理し、この場合も乙はその責任を負わないものとする。なお、引渡し後、直ちにレンタル物件の性能の欠陥につき通知がなかった場合、レンタル物件は正常な状態で引渡されたものとする。 
3.レンタル物件の不具合等に起因して甲又は第三者に生じた間接損害、特別損害、結果的損害(工事の遅れや工事着工待ち等による逸失利益、機会損失、損害の拡大等をいう)については、乙はその責任を負わないものとする。また、天災地変により生じた損害についても乙はその責任を負わないものとする。 

第13条(禁止事項) 
甲は、乙の書面による承諾を得なければ次の各号に定める行為をすることはできない。 
(1) レンタル物件に、新たに装置・部品・付属品等を付着させること、又既に付着しているものを取り外すこと。 
(2) レンタル物件の改造、あるいは性能・機能を変更すること。 
(3) レンタル物件を本来の用途以外に使用すること。 
(4) レンタル物件を、個別契約に定める装置・使用場所から他へ移動させること。 
(5) 個別契約に基づく賃借権を、他に譲渡し、若しくは継承させ、またはレンタル物件を第三者に転貸すること。 
(6) レンタル物件について、質権・抵当権・譲渡担保権・その他一切の権利を設定すること。 
(7) レンタル物件に表示された所有者の表示や標識を、乙の承諾なしに抹消したり、取り外すこと。 

第14条(通知義務) 
甲及び乙は、次の各号のいずれかに該当した場合は、その旨を相手方に速やかに連絡するとともに、書面でも通知する。 
(1) 甲は、レンタル物件について盗難・滅失あるいは毀損等が生じたとき。 
(2) 住所を移転したとき。 
(3) 代表者を変更したとき。 
(4) 事業の内容に重要な変更があったとき。 
(5) レンタル物件につき、他から強制執行、その他法律的・事実的侵害があったとき。 
2.レンタル物件について第三者が乙の所有権を侵害するおそれがあるときは、甲は自己の責任と負担で、その侵害防止を努めるとともに、直ちにその事情を書面で乙に通知する。 

第15条(レンタル物件の返還) 
個別契約期間満了時または第18条に定める解除により終了したときは、甲は直ちにレンタル物件を個別契約で定める場所へ返還しなければならない。 
2.乙は、レンタル物件の返還を受けると同時に甲に対し入庫伝票等を交付する。 
3.レンタル物件の返還に伴う輸送費、及びその他返還に要する一切の費用は甲の負担とする。 
4.レンタル物件の返還は、原則として甲乙双方の立会いのうえ行うこととする。ただし、甲が立会うことができない場合は、乙の検収に異議を申し立てることができない。 
5.甲が第1項の定めに違反し乙に損害が発生した場合、乙は甲に対し、被った損害の賠償を請求することができる。 
6.レンタル物件の返還は貸し出し時の状態での返還とする。返還時に毀損、汚損、欠品等が認められる場合は、甲の負担においてレンタル物件を現状に復して返還するか、またはその費用を乙に支払う。 
7.甲は、事由の如何を問わずレンタル物件について留置権または同時履行抗弁権を行使しない。 

第16条(物件についての損害補償) 
天災地変、その他原因の如何を問わず、レンタル物件がレンタル中に滅失、毀損あるいは盗難等が発生した場合、甲はその損害についての責任を負わなければならない。 
2.レンタル物件が損傷した場合は、修理費及び修理期間に相応したレンタル料金を、甲は乙に支払う。 
3.甲の過失により物件が盗難、滅失若しくは物件返却時の検収において物件の損傷が著しく修理不能の場合は、レンタル物件の再調達価格相当額を甲は乙に支払う。 
4.レンタル物件の修理並びに再調達に時間を要する場合、甲は休業損害に相応した補償金を乙に支払う。 

第17条(損害賠償責任) 
甲のレンタル物件の保管・使用に起因して第三者に対し人的・物的な損害を発生させた場合は、甲の責任において速やかに損害の程度に相当する額を当該第三者に賠償金として支払う。 

第18条(契約の解除) 
乙は、甲が次の号のいずれかに該当したときは、何等の通知催告を要することなく、本約款及び個別契約の全部または一部をただちに解除することができる。また、甲はただちに期限の利益を失い、一切の金銭債務(遅延損害金、損害賠償金を含む)を乙へ一括弁済しなければならない。 
(1) 本約款または個別契約の定めに違反したとき。 
(2) 甲がレンタル料、修理費、その他乙に対する債務の履行を遅滞したとき。 
(3) 自ら振出または引き受けた手形若しくは小切手が不渡りとなったとき、または支払不能若しくは支払停止状態に至ったとき。 
(4) 公租公課の滞納処分、他の債務について執行保全処分、強制執行、競売その他の公権力の処分を受け、若しくは破産、民事再生、会社更生の手続開始の申立があったとき、又は清算に入る等事実上営業を停止したとき。 
(5) 甲がレンタル物件について必要な保守・管理を行われなかったとき、あるいは法令その他で定められた使用方法に違反したとき。 
(6) 解散、死亡若しくは制限能力者となり、又は住所・居所が不明となったとき。 
(7) 信用状態が著しく悪化し、又はその恐れがあると認められる客観的な事情が発生したとき。 
(8) 個別契約の履行に関して、不正な行為(違法行為または公序良俗に反する行為等)があったとき。 
2.甲が前項各号のいずれかに該当したことにより本約款または個別契約の全部または一部を解除された場合には、甲は直ちにレンタル物件を乙に返還するとともに、乙に対する一切の債務についても、通知催告を受けなくても当然に期限の利益を喪失し、直ちに乙に弁済しなければならない。
 
第19条(契約解除の処置) 
甲が前条第1項各号のいずれかに該当したことにより本約款または個別契約の全部または一部が解除された場合には、甲は、直ちにレンタル物件を個別契約で定める場所へ返還しなければならない。 
2.甲が直ちにレンタル物件の返還をしない場合、乙が任意にレンタル物件を回収することを、あらかじめ甲は承諾し、乙はこれを委任する。これにより、乙は、レンタル物件の保管場所に立ち入り、レンタル物件の占有を回収し、これを搬出することができるものとする。なお、回収に掛かる費用は甲の負担とし、また、回収に際して、乙が損害を被った場合は、甲にその賠償を請求することができる。 
3.甲は、返還の際、レンタル物件の損傷、その他原状と異なる場合、その修理費用を負担する。 
4.レンタル物件の返還は、甲及び乙立会いで行い、甲がこれに立会わない場合、乙の検収結果に異議がないものとする。 
5.甲は、レンタル物件返還が完了するまで、本約款に定められた義務を履行しなければならない。 
6.契約解除により、甲が損害を被ることがあっても、乙はすべて免責とする。 

第20条(中途解約) 
個別契約期間中における中途解約は原則として認められない。ただし、甲が特別の事由により、期間満了前に申し出、乙がこれを認めた場合はこの限りではない。 
2.前項において、中途解約が認められた場合、甲は直ちに第15条の規定に基づく手続きを履行する。 

第21条(解約損害金) 
第18条(契約の解除)または第20条(中途解約)の定めにより本約款または個別契約が終了し、物件返還がされた場合であっても、その契約終了が甲の事情によるときは、甲は乙に対し、あらかじめ特約した損害金を支払う。ただし、特約のない場合は甲乙協議のうえ、損害金・賠償金を定める。 

第22条(遅延損害金) 
甲が本約款及び個別契約に基づく乙に対する金銭債務の履行を怠ったときは、債務不履行日の翌日から起算し、支払うべき金銭に対して年14.6%の割合による遅延損害金を乙に支払うものとする。 

第23条(不返還となった場合の損害賠償及び措置) 
甲は、不返還により発生した乙の全ての損害について賠償する責を負う。 
2.乙は、個別契約満了又は第18条に基づく契約解除にもかかわらず甲が物件を返還しない場合、一般社団法人日本建設機械レンタル協会に報告し、不返還者リストに登録すると共に、必要な法的措置をとる。 

第24条(個人情報の利用目的) 
乙が甲又は甲の指定する者の個人情報を取得し、利用する目的は次の通りとする。 
(1)第2条の個別契約の締結に際し、甲に関する本人確認及び審査等を行うため。 
(2)物件が不返還になった場合に、前条第2項の措置を行うため。 
2.前項各号に定める目的以外に甲又は甲の指定する者の個人情報を取得する場合、乙はあらかじめその利用目的を明示する。 

第25条(個人情報の登録及び利用の同意) 
甲又は甲の指定する者は、次の各号のいずれかに該当する場合、乙が取得した個人情報が、一般社団法人日本建設機械レンタル協会に7年を超えない期間、登録及び利用されることに同意する。 
(1)物件使用に関し、甲又は甲の指定する者の違反行為により、その結果乙に行政処分が科せられたとき。 
(2)物件使用に関し、甲又は甲の指定する者が度重なる行政処分を受けたとき。 
(3)物件使用に関し、捜査機関による捜査が開始されたと乙が認識したとき。 
(4)物件の不返還があったとき。 
(5)レンタル料金の不払い及び支払い遅延があったとき。 
2.前項の情報は、一般社団法人日本建設機械レンタル協会に加入する会員であるレンタル業者によって契約締結の際の審査のために利用される。
 
第26条(秘密の保持) 
甲及び乙は、本約款及び個別契約の履行に伴い知り得た相手方の営業上及び施工上の一切の秘密情報を契約有効期間中はもとより契約終了後といえども、相手方の承諾を得ることなく他に開示・漏洩してはならない。 
また、甲及び乙は、自己の使用人その他関係者に対しても、自己と同等の義務を課し、秘密情報の漏洩防止に努めなければならない。 

第27条(連帯保証人) 
乙は甲に対し、本約款に基づく甲の債務履行を担保するため、必要に応じて、第三者を連帯保証人として求めることができるものとし、甲は、乙の請求に従い、連帯保証人を加入させる。 
2.連帯保証人は、甲が乙に対し本約款及び個別契約に基づき負担する一切の債務について、甲と連携して履行の責を負う。 

第28条(保証金) 
乙は甲に対し、本約款に基づく甲の債務履行を担保するため、必要に応じて、保証金の預託を求めることができるものとし、甲は、乙の請求に従い、その申し出る額の保証金を、乙に預託する。ただし、この保証金に利息はつけない。 
2.前項の規定に関わらず、甲に第18条の各項の一つに該当する事由が生じたときは、当該事由の生じた日をもって、乙は、甲から受託する保証金を、任意にレンタル料、代替レンタル物件の購入相当額、その他甲の乙に対するすべての債務の弁済に充当できるものとする。 

第29条(反社会的勢力等への対応) 
乙は、甲が次の各号のいずれかに該当する場合、契約の拒絶及び解除をすることができる。 
(1)暴力団等反社会的勢力であると判断したとき。 
(2)取引に関して脅迫的な言動または暴力を用いたとき、若しくは乙の信用を毀損し業務を妨害したとき。 
(3)乙の従業員その他の関係者に対し、暴力的要求行為を行い、あるいは不当な負担を要求したとき。 

第30条(公正証書) 
甲及び連帯保証人が本約款及び個別契約に基づく金銭債務の履行を怠ったときは、その財産について直ちに強制執行を受けることをあらかじめ承諾する。 
2.甲及び連帯保証人は、乙から請求があった場合、本約款及び個別契約に基づく甲の債務についての強制執行承諾条項を付した公正証書を作成することに同意し、その手続をするものとし、その費用は甲が負担する。 

第31条(訴訟管轄) 
本約款及び個別契約に基づく甲乙間の紛争に関する管轄裁判所は、乙の本店所在地を管轄とする裁判所とする。 

第32条(補則) 
本約款に定めのない事項または疑義が生じた事項については、信義誠実・互譲協調の精神に則り、甲乙誠意をもって協議のうえ処理・決定する。